試験

改訂版衛生実技試験審査マニュアルに対する質問及び回答

 第24回試験から適用される改訂版衛生審査マニュアルに対する各養成施設から寄せられた質問に対する回答は次のとおりです。
 なお、衛生実技試験は、理・美容師として必要な知識及び技能の大きな柱である「施術時における衛生上の取り扱い」をどの程度習得し、実行できたかを客観的に評価するものであり、公平かつ公正に試験を行うための一部事項を除き、そのほとんどは実際の理・美容業務において衛生上遵守しなければならない事項を限定的に列記して審査することとしています。
 したがって、疑問を感じる行動等の可否は、事例ごとに理・美容業務を行う上で認められる事項であるかどうかを判断すれば、容易に解決できるものと思われます。
 また、寄せられた質問のうちマニュアルに明記されているもの等に対する回答は省略させていただきましたので御了承下さい。


1 身体に関する事項

【質問】  ゴム手袋や指サックをする場合、装着するのはどのタイミングですか。
【回答】  ゴム手袋等は、傷の保護やアレルギーによる手荒れを防ぐために自らの判断により必要に応じて装着します。一般的には傷の保護であれば全時間帯に、アレルギーの防止であればアレルギーの原因物質を扱う時間帯に、それぞれ装着します。このように傷の保護やアレルギーによる手荒れ防止等、装着の目的により装着する時間帯が異なりますが、装着が必要な課題の準備はゴム手袋等を装着した状態で行い、手指消毒は、ゴム手袋の上から行ってください。
 なお、ゴム手袋等の装着について衛生実技試験試験委員に装着の許可を得る必要はなく、手指の衛生状態の審査に当たってゴム手袋等を外す必要はありません。

【質問】  入れ墨の類は、減点対象となりますか。
【回答】  衛生実技試験の審査項目は、理容31項目、美容29項目の限定列記となっており、記載されていない項目について審査することはありません。
 なお、入れ墨等は、客を含め周囲に恐怖感を与えかねませんので、施術をしないこと、仮に既に施術をしている場合は見えないように工夫することが重要であることを指導していただきたいと思います。


2 服飾等に関する事項

【質問】  足の甲の部分が全て覆われる形態とはどのような履物か。
【回答】  作業をする上で安全性を確保し、衛生面に対する配慮の観点から履物の形状に制限がなされています。衛生面では足の甲の部分が全て覆われる形態のものに限定し、サンダル等のひも状のものや甲の部分が相当程度露出するものは毛髪が足に付着しやすいため禁止されています。
なお、ズック状の上履き(体育館履き)や一般的なスニーカー等で、若干、甲の部分が見える程度のものは、「甲全体を覆っている」と解してかまいません。

【質問】  結婚指輪が外れないのですが、外す必要はありますか。
【回答】  手指の装飾品は、装着部分に汚れがたまりやすく、技術者自身が皮膚疾患に感染し、お客様にも感染させる恐れがあることから、指輪等の装飾品は、実技試験においても一切装着しないこととなっています。
 また、仮に結婚指輪を例外的に認めるとしても結婚指輪の形状等に定義がないのでその判定が困難であり、例外的に認めることによる混乱を避けるため、指輪全ての装着を禁止しています。


3 用具類に関する事項

【質問】  汚物入れはどのように管理すれば良いのか。
【回答】  使用済みの除菌用ウェットティッシュ、乾燥タオル及び濡れタオル並びに止血処置で生じたゴミ類は、必ず汚物入れに収納して下さい。また、輪ゴムやペーパー等の落下用具類で再使用しないものは汚物入れに入れますが、床に放置したまま、審査終了後回収してもかまいません。
 収納する用具類の量は、理容と美容の別、及び個人により差があり、用意した汚物入れに一部収納できないものがあった場合は、用具類の不備となりますので、大きさや枚数は、収納しなければならないものが全て収納できるよう適宜判断して下さい。
 ビニール袋の設置方法は、統一的な定めはありませんが、自身を含め他人の作業の邪魔にならない場所であれば作業台にテープで貼り付けるか床に直接置いて下さい。

【質問】  ロッドケースとその収納物の管理方法はどうすれば良いか。
【回答】  美容師実技試験のワインディング課題に使用するロッドケースには、ロッドの他、ペーパーや輪ゴムも収納していますが、ペーパーや輪ゴムをロッドケースから外に出して管理しても構いません。この場合、ペーパーハウスはそのまま作業台に置き、輪ゴムは他の器具皿や容器に入れて管理しますが、その容器に「消毒済」の表示は必要ありません。
 なお、作業台に消毒済タオルを敷き、その上で用具類を管理する場合がありますが、この場合の消毒済タオルの位置づけは、作業台の汚れが用具類に付着するするのを避けるための措置であり、消毒済器具皿とは見なしません。したがって、輪ゴムを消毒済タオルの上に置いて作業をすることは減点対象とはなりませんが、好ましい作業方法ではありません。

【質問】  皮膚に接する用具類のうち器具皿で管理しなければならない用具類は何か。
【回答】  布片類を除き皮膚に接する用具類は、原則として器具皿で管理することとしており、シザーズ、コーム、レザー(理容のみ)及びダックカールクリップ等の補助ピンは、必ず器具皿で管理しなければなりません。
 なお、理容師実技試験で使用するクリッパー及びブラシ類は、器具皿に収納することが困難なため、例外的に机の汚れを避けるため作業台に消毒済タオルを敷き、その上で管理することを許しています。この場合のタオルは、前項で延べたように消毒済み器具皿ではないので、皮膚に接するクリッパーの刃やブラシ類の毛はタオルに直接触れないようにして下さい。

【質問】  作業終了後、消毒済み器具皿に収納している未使用の用具類を「使用中」の器具皿に移し替えても良いか。
【回答】  消毒済み器具皿と使用中器具皿の適正使用は、試験時のみならず業を行う上での衛生管理の根幹をなすものです。
 消毒済で未使用の用具類は「消毒済」の器具皿で管理し、準備を含め一旦使用した用具類は「使用中」の器具皿に収納して管理します。
また、準備開始から作業が終了し完了し、審査が終了するまでは、いかなる理由があっても未使用の用具類を「使用中」に移動することは禁止されています。
 なお、作業終了後に設けられた整理の時間に「消毒済」の器具皿及び未使用の器具に付着した毛髪等を消毒薬で拭き取った後、未使用の用具類は再度「消毒済」の器具皿に戻して下さい。

【質問】  ロッドケースを落下させ、輪ゴム等が飛び出た場合、消毒はどうすれば良いのか。
【回答】  収納物がケースから出なかった場合は、消毒薬でロッドケースのみを清拭・消毒して下さい。
 ケースから収納物が出た場合は、ロッド、ペーパーの容器及び輪ゴム(束ねた状態で可)を消毒薬で軽く清拭して下さい。
 なお、少量の輪ゴム等、再使用しないものは床に放置し、審査終了後回収して下さい。

【質問】  布片類を落下させた場合の消毒方法はどうすれば良いか。
【回答】  乾燥タオルや濡れタオルを落下させた場合は、再使用できませんので汚物入れに収納し、予備のタオルを使用して下さい。ただし、理容のカッティングクロスやシェービングクロスは、毛髪などの汚れを良く払い、衛生委員に「落しましたが消毒しました」と告げ、再使用の許可を得た場合に限り再使用できます。

【質問】  モデルウイッグの汚れの清拭はいつ行うのか。
【回答】  作業中にモデルウイッグの顔面に付着した毛髪、水やローションの付着は、作業終了後の整理時間で拭き取るよう指示があります。
 なお、これらの清拭は、衛生処置ではなく、技術の仕上げであるという観点から技術の審査対象となりました。

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